東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所の事故により、環境中に大量の放射性物質が拡散しました。生活エリアの除染は少しずつ進められていますが、森林地帯の除染は、重機が想定通りに利用できない等により除染活動が難航しています。簡便な手法の検討として、コンパクトドライの不織布が森林の放射性物質の吸い取りに効果があるかの実証実験に参加しています。
国公立大学との共同研究を推進しています。
生産海域における出荷前の麻痺性貝毒の検査は、公定法のマウス毒性試験のみが認められていましたが、平成27年制定の貝毒リスク管理のガイドラインで、一定の基準を満たしたスクリーニング法が利用できるようになりました。当社では、国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所との共同研究で麻痺性貝毒簡易検査キットの研究・開発に取り組んでおります。実用製品化になれば、出荷可能な場合は現場で即時に判断することが出来、そのためのコストはマウスアッセイより格段に低いものとなります。また、分析コストが安いことから分析検体数を増やすことで、よりきめ細かなリスク管理が実現化されます。このことに拠り、規制海域の細分化や出荷自粛の早期解除につながり、漁業生産増へと結びつく事に期待されております。
現在、農林水産省における安全な農林水産物安定供給のためのレギュラトリーサイエンス研究委託事業にて、製品化に向けた研究・開発・評価に取り組んでおります。